| 会期 | 2026年5月28日(木)〜5月31日(日) |
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| 会場 | 早稲田大学西早稲田大学キャンパス55号館アトリウム 東京メトロ 副都心線「西早稲田駅」下車徒歩0分 (会場住所:〒169-8555 東京都新宿区大久保3-4-1 55号館)→Google Map |
| 入場料 | 無料 |
| 開催時間 | 各日8:50〜18:40(※最終日 日曜日は13:00まで) (西早稲田キャンパス開構時間:8:00~22:30) |
| 主催 | 早稲田大学 創造理工学部 建築学科 後藤春彦研究室 早稲田大学 建築・まちづくり リサーチ・ファクトリー |
| フライヤー | 際展(早稲田大 会場)フライヤーはこちらから |



際展では、55号館アトリウム全体を使い、「際の都市デザイン論」を表現します。
明確に仕切られないがゆえに関係が立ち上がるアトリウム空間そのものが、新たな気づきを生む「際」として立ち現れることを、ぜひ体感してください。
【「際の都市デザイン論」の論考の紹介】
まず「際の都市デザイン論」の論考を起点に理論への理解を深め、考現学的に収集した実例や映像展示を通してその具体像を捉えます。
【模型展示・体験型ワークショップ】
続いて、(株)POLUSの分譲地模型を手がかりに身体的なスケールで「際」を実感し、最後にワークショップで学びを実践へと展開します。展示のあいだを歩く中で、布越しににじむ人や展示の気配、交差する視線にふと気づきます。
考現学的手法により、都市に点在する「際」の空間を収集し、その特徴やあり方を整理しました。
都市に点在する「際」の空間を収集し、それらを関係性を表すイメージとして読み解くことで、その特徴やあり方を整理しました。本展示では、分けられた要素同士の関係を捉え直す視点として図像に着目し、「際」が都市の中でどのように立ち現れ、異質なもののあいだにいかなる意味や価値を生み出しているのかを写真を通して示します。
また、そこで生じる振る舞いや関係の編成を、実際の都市での体験と接続しながら感じ取ってもらうことで、都市に潜在する際と、そこで生まれる関係性のあり方を捉える契機となることを目指します。
ワークショップでは、図像学的視点から捉えた都市空間における「際」を、来場者自身の視点や経験に引き寄せて再考することを目的としています。異質なもの同士のあいだに立ち現れる「際」において生じる振る舞いや、それによって可視化される決まりや秩序を、参加者自らの手で可視化していきます。
さらに、会期中に寄せられる多様な視点や解釈を蓄積・共有することで、「際」に対する思考の広がりを促すとともに、来場者一人ひとりが思い描く「際」のあり方が立ち現れていく場となることを目指します。
5月30日(土)に展示会場横 イノベーション・ラボにてシンポジウムを開催します。
シンポジウムでは【第1部:住宅地からまちのコモンを考える】【第2部:〈際の都市デザイン論〉へ】の二部構成となり、これまでのプロジェクトの歩みを振り返りつつ、未来の都市デザインを展望します。
【第1部】住宅地からまちのコモンを考える
<登壇者(敬称略)>
・山下隆史(ポラスグループ㈱中央住宅)
・山村崇(東京都立大学 准教授)
・岡村竹史(早稲田大学 上級研究員)
・吉江俊(東京大学 講師)
・田邊寛子(早稲田大学 客員上級研究員)
【第2部】〈際の都市デザイン論〉へ
<登壇予定者(敬称略)>
・後藤春彦(早稲田大学 教授)
・石川初(慶應義塾大学 教授)
・高取千佳(東京大学 准教授)
申し込み不要。当日はシンポジウム後に懇親会も開催されます。お気軽にご参加ください。
(当日のzoom配信の予定はございません。)
今回の展覧会とシンポジウムを通じて、私自身にとって大きな収穫がありました。
シンポジウムでは、日本家屋の縁側の写真を示しながら、「これは本当に『際』なのだろうか」という問いを投げかけました。
実は、この問いについては私自身も長く迷ってきました。しかし考え続けるなかで、縁側そのものが「際」なのではなく、そこに〈間合い〉(時空間)、〈振る舞い〉(人間)、〈決まり〉(知)という条件を読み取ることによって、初めて「際」として理解できるのではないかという考えに至りました。
シンポジウムでは、「際」とは場所や対象そのものではなく、時空間とその条件であるという説明を行いました。その結果、多くの参加者に理解していただけたように感じています。
振り返ってみると、「際とは何か」を定義として説明するよりも、私自身がどのような思考の過程を経て「際」という考え方にたどり着いたのか、その物語を共有したことが共感につながったのかもしれません。
改めて、本書における「際」の定義を示しておきます。
「際」とは、異なる領域や主体が分節され、往還しあう過程のなかで立ち現れる、関係の生成と変容が持続する〈あわい〉の時空間であり、関係が生成し、更新され続ける動的な条件である。
このことをシンポジウムの参加者と共有し、確認できたことは、今回の展覧会の大きな成果だったと思います。
また、従来の中間領域論を超えた先に、「際論」の理論的到達点があることを、私自身あらためて確信することができました。
もう一つ、来場者の反応が特に大きかったのは、今回の展覧会の制作プロセスについてお話しした場面でした。
第Ⅴ部を展開するために企画した今回の展覧会では、まず学生たちが「これは際ではないか」と感じた都市のシーンを大量に収集し、それらの写真を床一面に並べるところから始めました。
ところが作業を進めるうちに、自然とKJ法による分類が始まり、私たちは再び「分ける」という行為に戻っていることに気づきました。
考えてみれば、「分ける」ことは、混沌を秩序づけるための人間の根源的な営みです。聖書もまた、光と闇を分けることから始まります。しかしその後の物語は、分けられたものをいかに結び合わせ、関係を回復していくかへと展開していきます。
一方で、近代以降の計画学は、「分ける」ことには多大な力を注いできましたが、分けた後のことについては十分に考えてこなかったように思います。せいぜい、分離・純化された機能のなかに異なる機能を混在させるMXD(Mixed Use Development)を試みる程度でした。
しかし、これから問われるべきなのは、分けることそのものではありません。分けてしまったことを前提として、いかにそれらを編み合わせ、新たな関係を生成していくのか。その条件を考えることこそが、「際の都市デザイン論」の課題であり、今回の展覧会とシンポジウムを通じて改めて確認できたことでした。
この展覧会とシンポジウムを通じて、生まれた問いや対話が、それぞれの新たな思考を育む〈際〉となり、今後のまちづくりの実践や新たな研究の萌芽へと広がっていくことを願っています。
2026年6月
後藤 春彦